EPSというキーワードが不動産の中でどれほどの重要性を持っているのか。オフィス選びにおけるEPSの役割と、それがビジネスに与える影響を解説します。
はじめに
オフィス移転の際、何を基準に物件を選びますか？
立地や賃料、広さ、設備の良さ…これらは伝統的な選定基準と言えるでしょう。
しかし、近年、企業の社会的責任や持続可能性への取り組みが強化される中で、オフィスの環境性能にも注目が集まっています。
「環境性能」と一言で言っても、具体的には何を指すのでしょうか。それが今回のテーマであるEPS（エコ性能スコア）です。EPSは、オフィスのエネルギー消費やCO2排出量など、環境に関連するさまざまな要因を数値化した指標です。そして、このEPSがオフィス選びの新しい基準として、徐々に重要視されてきているのです。
この記事では、EPSとは何か、なぜそれが重要なのかを解説します。
オフィス移転を検討している企業担当者の方々に、新しい視点での物件選びの参考となれば幸いです。
オフィスのEPSとは
オフィス選びの新しい基準として登場してきたEPS。
しかし、実際にEPSとはどのようなものなのでしょうか。その詳細について見ていきましょう。
EPSの定義
EPSは「エコ性能スコア」という名の通り、建物のエコ性能を示す指標となります。具体的には、オフィスビルや商業施設などの建物のエネルギー消費、CO2排出量、水利用効率などを総合的に評価した数値です。これにより、そのオフィスが環境に対してどれほど負担をかけているのか、また、どれだけ環境効率が良いのかを一目で把握することができます。
なぜEPSがオフィス選びで重要か
近年の気候変動や環境問題への対応として、企業が自らのCO2排出量を削減する取り組みを強化しています。その一環として、オフィスのエネルギー効率は非常に重要な要素となっています。エネルギー効率の良いオフィスは、電気や水などのリソースを節約し、運用コストを削減することが可能です。また、環境に優しいオフィスは従業員の働く環境の質をも向上させることが期待されます。
更に、持続可能性や企業の社会的責任に関心を持つ顧客やステークホルダーからの評価も高まります。そのため、移転や新たなオフィスの賃貸を検討する際、EPSは必須の基準となってきているのです。
EPSの評価方法
EPSの数値は、具体的にどのようにして算出されるのでしょうか。まず、建物のエネルギー消費量やCO2排出量を計測します。これには、電気、ガス、水などのユーティリティの使用量や、機器の効率などが考慮されます。
次に、オフィスの内装や設備についても評価します。例えば、LED照明や高効率の空調システム、節水型のトイレなどが設置されているかどうか。これらの要因をもとに、総合的なエコ性能スコアが算出されるのです。
まとめ
オフィス移転や新しい物件選びの際の基準が多様化する中、EPSは企業の環境効率を示す非常に重要な指標として浮上してきました。このエコ性能スコアは、オフィスのエネルギー消費やCO2排出量を数値化し、企業が環境に対してどれほど効率的に働いているのかを示します。
このEPSを理解し、活用することで、オフィス選びにおける新しい視点が得られます。それは単に環境への取り組みだけではなく、運用コストの削減や従業員の働く環境の向上、そして企業の社会的責任を果たすという広い視点での選択となります。
最終的に、EPSを高く保つための内装や設備の工夫も必要となるでしょう。持続可能な未来を目指す企業として、新しいオフィス選びの基準としてEPSを重視することは、今後のビジネスシーンでの競争力を高める鍵となるでしょう。
